愛知県立中村高等学校

校長コラム

PRINCIPAL’S COLUMN

2022年2月22日

第16号「バックボード初出動 、髙須椛梨さん外務大臣賞披露」

長引くコロナ禍、全校生徒が集まることができません。
替わって、学校にもICT機器が配備され、日頃の教育活動に活用され始めています。
このたび、表彰式や集会等において利用する本校のオリジナルバックボードを作製しました。オンラインでの対応が日常化する中、このバックボードが活躍する場面が多くなると思います。
デザインは、国際理解コース3年生の石嶋みづきさんと、稲垣優杏さんによるものです。国際交流事業や国際理解教育を特色とする本校ならではのバックボードです。ありがとうございました。

そして、バックボードの初出動は、国際理解コース2年生髙須椛梨さんが、 第68回国際理解・国際協力のための高校生の主張コンクールにおいて特賞の外務大臣賞を受賞しましたので、このことを披露する場面として利用しました。本県での特賞の受賞は昭和51年(以来45年ぶりの快挙です。本当におめでとうございます。
国際理解・国際理解のための高校生の主張コンクールとは、外務省が公益財団法人国際連合協会との共催により実施しているもので次世代を担う高校生に、国際連合についての主張を通して、国際連合を通じた国際理解・国際協力について考える機会を提供し、国連
を始めとする世界の平和と繁栄のための国際社会への活動への興味を深めてもらうことを目的としています。
高校生の主張コンクールにおける特賞受賞者は、例年、米国ニューヨークの国際連合本部視察に派遣されています。過去2年は新型コロナウイルスの感染拡大にともない中止されていますが、今年度は感染状況が許せば、3月28日~31日にニューヨークに代わり東京へ参加者を派遣し各種プログラムが実施されます。是非、派遣プログラムの経験を聞かせてほしいと思います。

入賞作品紹介

「日本における持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、私たちが国連とできること
―「いただきます」、「ごちそうさまでした」を世界共通語に―
外務大臣賞 愛知県立中村高等学校 2年 髙須 椛梨
我が国では、食事をする際に必ずする行為があります。それは、手と手を合わせて、食前に「いただきます」、食後に「ごちそうさまでした」と言葉を発することです。私たちはこの一連の動作を当然のように行っていますが、これは、食材を作ってくれた生産者の方々、食材を料理へと進化させた調理人、そして、なによりその生命をいただくための感謝の気持ちが込められています。この「いただきます」、「ごちそうさまでした」という食卓での作法だけでなく、その行動の裏に秘められた様々なお礼の気持ちまでをも含んで世界に広げることができれば、将来的に食品ロスの削減に繋げことができると考えています。
なぜ私がこの文化を世界へ広げようと思ったのか、そのきっかけは私の趣味のドラマ・映画鑑賞にあります。私は空いた時間に、海外ドラマをよく観ています。どのドラマにもほぼ必ず食事シーンはでてきますが、日本の「いただきます」や「ごちそうさまでした」に相当するような言葉を発するシーンはあまり見かけないことに、気づきました。まれに出てきたとしても字幕で「祈りの言葉」と表示されるだけなので、日本の「いただきます文化」とは随分ニュアンスが違うように思われます。
そこで、この素晴らしい日本独自である挨拶の文化を、世界にも広げられたらと考えるようになりました。では、その方法として海外において影響力のあるアニメや映画等で、あえて翻訳せずに、“itadakimasu”として使用することが重要なのではないでしょうか。
日本には、海外に影響を与え続けているアニメ作品が数多くあり、それらは我が国と世界中とを効果的に繋ぐ架け橋となります。過去に数多くの海外の方々が日本のアニメのセリフを言っていたのをテレビで見たことがあります。それらのセリフは全て日本語のままで、使い方も正しかったため、それと同じように“itadakimasu”も後々は世界規模での食品ロスの削減に繋がると私は考えます。
また近年、日本を含む先進国の国々では、料理の写真を撮りSNSで共有した後、食べないまま捨てる行為や、大食いや早食いなどの「無理して食事をする」行為がテレビの企画で繰り返され続けており問題視されています。過去に、あるニュースでゴミ箱に捨てられる大量のアイスクリームの映像を見て胸を締め付けられるような衝撃を受けたのを今でも覚えています。飢餓に苦しむ人がそれを目にしたらどう思うのでしょうか。
写真映えやエンタメ的な面白さを重視し結局食べずに捨てる、そのような価値観の変化は直すべきだと私は考えています。小学校では、給食を残してはいけないと教わってきました。その頃は好き嫌いを無くすためだろう、くらいにしか思っていませんでした。しかし、高校生となり昼食用の 弁当を自ら毎日用意する立場となった現在、十分な食事にありつけることへのありがたさや、その過程で様々自ら毎日用意する立場となった現在、十分な食事にありつけることへのありがたさや、その過程で様々な形で携わってくれた人々への感謝の気持ちが芽生えるようになりました。そのことがきっかけで、な形で携わってくれた人々への感謝の気持ちが芽生えるようになりました。そのことがきっかけで、食品ロスや飢餓について学び、重要さに気づきました。食品ロスや飢餓について学び、重要さに気づきました。
上記のように、「いただきます」「ごちそうさまでした」を世界の人々に知ってもらうこと、そして「食べ物に関する食育の見直し」が食品ロスの削減に繋がる私たちができる国連との目標に向けた第一歩だと考えています。
現在、年間で約13憶トンもの食べられる食材がこの地球上で廃棄されており、うち612万トンが日本で廃棄されています。年間これだけの量の廃棄される、本来ならば食べることのできる食材があれば、たくさんの救うことのできる命があります。また、「腹が減っては戦ができぬ」ということわざがあるように、物事に取り組むときはまずエネルギーが必要になります。
様々な地球上の環境問題を解決していくスタートラインに立つ前に、まず地球上から食品ロスを削様々な地球上の環境問題を解決していくスタートラインに立つ前に、まず地球上から食品ロスを削減し、食料問題を解決することが重要ではないでしょうか。そして、世界中の人々が毎日笑顔で「い減し、食料問題を解決することが重要ではないでしょうか。そして、世界中の人々が毎日笑顔で「いただきます」、「ごちそうさまでした」が言える世界を目指しただきます」、「ごちそうさまでした」が言える世界を目指していきます。

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